ゲイシャコーヒーとは?産地や農園、値段が高い理由、ゲイシャコーヒーを扱うカフェやショップを紹介!美味しい淹れ方も解説

世界で最も高価なスペシャリティコーヒーのひとつとして注目されるゲイシャコーヒー。国際的なコーヒーの品評会「ベスト・オブ・パナマ」で2004年から高値を更新し続けています。この記事ではゲイシャコーヒーの由来や歴史、高い値段がつけられる理由、ゲイシャコーヒーを扱うカフェやショップ、主なゲイシャコーヒー産地国の農園を解説します。ゲイシャコーヒーの美味しい入れ方(淹れ方)もご紹介します。
目次
ゲイシャコーヒーとは?
名前の由来はエチオピア南西部の地名「ゲシャ」から
ゲイシャはコーヒーの品種の一つで、1931年にエチオピアのゲシャ地区で自生していた種が発見されたのが起源と言われています。
ゲイシャコーヒーの名前は、原産地であるエチオピア南西部の「ゲシャ」という地域名に由来しています。日本語の「芸者」とは関係がありません。
パナマで栽培されるようになり中南米に産地が広がる
エチオピアで発見されたゲイシャ種のコーヒーは、その後コスタリカを経て1960年代にはパナマへと栽培地域が広がっていきます。エチオピアからパナマに持ち込まれたのは、商用ではなくゲイシャ種の持つコーヒーの病気「さび病」への耐性効果を期待されてのことでした。
こうしてパナマから本格的にスタートしたゲイシャ種の栽培地は、中南米へと広がっていきます。
現在のゲイシャ種の栽培地域は中南米とアフリカが二大産地
日本で流通するゲイシャ種のコーヒーはパナマ産やコスタリカ産が知られているため中南米のイメージが強いですが、現在ではアフリカやアジアでも栽培されています。
エチオピアはゲイシャ種の起源となった地域でもあり、日本で手に入るゲイシャコーヒーにはエチオピア産も多く見られます。
それでもなお、パナマ産のゲイシャコーヒーはその香りの高さからゲイシャ種の中でも最高級レベルとして評価されています。
品種はアラビカ種の一種
コーヒーの品種は大きく分けるとアラビカ種・ロブスタ種・リベリカ種の3種に分けられます。このうちゲイシャコーヒーはアラビカ種に分けられ、より原種に近い品種と言われています。
アラビカ種は栽培に手間がかかり、病害虫に弱く、気候に影響を受けやすい種類です。なかでもゲイシャは生産量が低いため、エチオピアで発見されて以降も長い間、商用の栽培には不向きとされていました。
ゲイシャ種のコーヒーは一般的なコーヒーよりも樹高が高くなり、4mほどにまで成長します。
豆の形は細長い
コーヒー豆の形はサイズの大小はありますが丸みを帯びたものが主流である一方、ゲイシャ種は豆の形は細長いのが特徴です。
ゲイシャコーヒーの知名度を上げたパナマの「エスメラダ農園」とは?
コーヒーの品評会「ベスト・オブ・パナマ」で優勝
2004年にパナマで開かれたコーヒーの国際品評会「ベスト・オブ・パナマ」に初めてゲイシャコーヒーを出品。当時の落札最高額を更新して優勝したことがきっかけで、ゲイシャコーヒーは世界的に注目されるようになります。
その後もSCAAカッピングパビリオンや、レインフォーレスト・アライアンス・カッピング・フォー・クォリティなど数々の品評会で1位を獲得しました。
豊かな自然環境で生産される最高級のゲイシャコーヒー
エスメラルダ農園(Hacienda La Esmeralda)は、パナマ西部バルー火山のふもと標高1,600mに位置する農園です。
豊かな土壌や降雨、天然林に囲まれた豊かな環境にあるエスメラルダ農園では、農薬を極力使わずに、完熟したコーヒーの実だけを手摘みし、収穫後の加工も丁寧に行われています。
エスメラダ農園の始まりは1960年代
エスメラルダ農園の広大な敷地は、1940年代にスウェーデン人が農地として購入した土地でした。
コーヒー栽培に適したこの地域では1800年代からコーヒー栽培がおこなわれていましたが、エスメラダ農園がコーヒー農園として利用されるようになったのは1960年代。同じスウェーデン人でバンク・オブ・アメリカの頭取ルドルフ・A・ピーターソン氏に引き継がれてからでした。
1980年代には農園の大部分をコーヒー栽培が占めるようになりますが、90年代のスペシャリティコーヒーブームの到来前はパナマ産のコーヒーは玉石混合の大衆向け製品でした。
ゲイシャコーヒーとの偶然の出会い
1994年にエスメラルダ農園が精製機を導入し、本格的にコーヒー精製に携わるようになった頃に農園を拡張。この土地に偶然植えられていたのがゲイシャ種のコーヒーでした。
2代目の農園主プライス・ピーターソン氏は、大学で神経科学を修め、科学的な知見に優れていました。コーヒー栽培においても彼の知見が生かされ、土壌の性質や降雨量などを見極めながらより品質の高いコーヒーの栽培を目指すようになります。
ゲイシャコーヒーとの偶然の出会いと、農園主の3世代に渡る試行錯誤がエスメラルダ農園の高い品質につながっています。
「最高級」と評価されるゲイシャコーヒーの風味は
コーヒーの常識を覆す、フルーティーで香り高い風味
ゲイシャコーヒーはその香り高い風味で最高級のスペシャリティコーヒーと称賛されています。完熟したネクタリンのような深い甘味や、パッションフルーツのような爽やかで香り高い酸味、ジャスミンのようなフローラルな香りなど、コーヒーの常識を覆すようなフレーバーです。
コーヒーが苦手な人にも受け入れられる
苦みや雑味がなく、心地よい酸味・まろやかで甘い豊穣さ
ゲイシャコーヒーは価格の高さからコーヒーに造詣が深い玄人向けのイメージがあります。けれども、従来のコーヒーが持つ苦みや雑味がなく、ハチミツや黒糖のようにまろやかで甘い芳醇な香りを楽しむことができるので、コーヒーが苦手な人にもおすすめです。
心地よい酸味は、一度味わうと忘れることができない印象的な体験だと評価されることもあります。
ゲイシャコーヒーの値段が高くなる理由
「ゲイシャショック」が世界のコーヒー市場に与えた影響
ゲイシャコーヒーはエチオピアで発見されてから70年余り、注目されることはありませんでした。
けれども、前述のとおり2004年にパナマのエスメラルダ農園によって「ベスト・オブ・パナマ」に初めて出品され、世界最高価格を更新。一躍世界の高級スペシャリティコーヒーの舞台に躍り出ました。
2021年のオークションでは1ポンド(450g)あたり2,568ドルを更新
その後もオークションにおける最高価格を更新し続け、2021年には1ポンド(450g)あたり2,568ドルを更新。「ゲイシャショック」としてその名が知られるようになりました。
スターバックスがゲイシャのドリップコーヒーを1杯2,000円で販売したことで衝撃が走ったことを覚えている方もいるかもしれません。
現在もゲイシャショックによる高値の影響が続いている
現在もゲイシャショックによる高値の影響がオークション価格に影響していて、今後も価格が急落する兆しはないでしょう。
一定の条件を満たした高地でしか栽培できない
ゲイシャコーヒーが高価格になる背景のひとつには、栽培できる地域が限られている点が影響しています。一定の条件を満たした高地でしか栽培できないからです。
ゲイシャ種は一般的に標高1500~1700m程度の急斜面で栽培されることが多く、限られた国や地域でしか栽培ができません。
収量が限られている
1本の木から収穫できるコーヒー豆の量は他の品種の半数程度
栽培できる地域が限られている上に、ゲイシャコーヒーの収穫量は他の品種の半分程度。同じ1本のコーヒーの木を植えても、ゲイシャ種では1/2程度しか収量を上げることができません。
栽培に手間がかかる
栽培に手間がかかることも価格を押し上げています。コーヒーを栽培する際、枝と枝の間隔が狭く、急斜面で栽培されることの多いゲイシャ種では機械を搬入しての収穫作業が困難です。そのため手作業での収穫が主となり、人件費も上乗せされるのです。
同じゲイシャ種のコーヒー豆にも複数のランクがある
同じゲイシャコーヒーでも、産地毎に複数のランクに分けられて評価されることがあります。
ゲイシャコーヒーとして販売されるコーヒー豆の多くは100g当たり最低でも5,000円以上で販売されることが主流です。
とは言え、価格の高さと美味しさが比例するかと言うと必ずしもそうではありません。「ゲイシャコーヒー=どれも最高級で美味」ではないのです。
パナマ産のゲイシャコーヒーのランキングは3種類
標高差によって分けられています。標高1350m以上で収穫されたコーヒー豆は「Strictly Hard Bean」と呼ばれる最高級ランクです。
次に標高1050m~1350mの間で収穫された「Hard Bean」、3つ目が標高900m~1050mで収穫された「Extra Prime Washed」とされています。
日本で流通するゲイシャコーヒーの多くは「Hard Bean」や「Extra Prime Washed」
日本でゲイシャコーヒーの最高級ランク「Strictly Hard Bean」の豆を手に入れることは難しく、多くは「Hard Bean」や「Extra Prime Washed」です。
2004年にパナマ産のゲイシャコーヒーが高値で落札されてから、世界各地のコーヒー農園でゲイシャ種の栽培が始まりましたが、品質を考慮せずに栽培されるゲイシャコーヒーも流通するようになりました。ゲイシャならではの風味を持たない豆もゲイシャとして名前が付くだけで高値で取引されてしまう現状は憂慮すべきことかもしれません。
ゲイシャコーヒーを手軽に飲めるカフェ
希少なゲイシャコーヒーですが、自家焙煎カフェやコーヒー豆専門店などで手に入れることができます。東京など都市部ではゲイシャコーヒーを取り扱うカフェも少しずつ広まっています。
丸山珈琲
サイフォンで淹れる豊穣なゲイシャコーヒを堪能
1991年に軽井沢で創業された丸山珈琲。現在は長野、山梨、神奈川、東京で11店舗を構えています。
なかでも軽井沢本店は、庭木の緑に囲まれた気持ちの良い雰囲気。
バリスタでありコーヒースペシャリストの丸山健太郎氏が海外の生産地を飛び回りながら厳選したコーヒー豆を取り扱っています。
フレンチプレス、サイフォンなど様々な方法で抽出されたコーヒーを楽しむこともでき、最上級クラスの「カルロス・イトゥラルデ ゲイシャ」も取り扱っています。
ゲイシャのドリップコーヒーも取り扱う丸山珈琲は、ドリップバッグの生産設備を備えた「丸山珈琲 軽井沢センター」をオープン。
本格的な味を手軽に楽しむことができます。
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アクセス | 最寄駅:軽井沢駅から車で5分/徒歩20分 |
住所 | 長野県北佐久郡軽井沢町軽井沢1154-10 |
電話番号 | 0267-42-7655 |
営業時間 | 10:00 – 18:00 定休日:火曜(季節変動あり) |
GESHARY COFFEE 日比谷店
GESHARY COFFEE (ゲシャリーコーヒー)では、「コーヒーの楽園」をコンセプトに、世界各地の厳選ゲイシャを味わえます。
パティシエがゲイシャの美味しさを引き立てる旬の素材にこだわったスイーツとフードも楽しむことができます。
アクセス | JR山手線「有楽町駅」日比谷口より徒歩3分 地下鉄三田線「日比谷駅」A4出口より徒歩0分 地下鉄丸の内線「銀座駅」C1出口より徒歩2分 地下鉄有楽町線「有楽町駅」A4出口より徒歩0分 地下鉄日比谷線「日比谷駅」A4出口より徒歩0分 地下鉄千代田線「日比谷駅」A11出口より徒歩3分 地下鉄銀座線「銀座駅」C1出口より徒歩2分 |
住所 | 東京都千代田区有楽町1-6-3 有楽町東宝ビル |
電話番号 | 03-3517-4153 |
営業時間 | [月~木]8:30~22:00[金]8:30~22:30 [土日祝日]10:00~22:30 ※2022年8月現在全日10:00~20:00 |
ぱるけコーヒー
吉祥寺にあるぱるけコーヒーは、コロンビアにある契約農園から定期的に豆を仕入れています。自家焙煎で提供されるゲイシャコーヒーは、一杯が660円(税込み)。高価格なゲイシャコーヒーのイメージを覆すリーズナブルな価格帯のコーヒーです。
アクセス | JR他各線「吉祥寺駅」公園口より徒歩3分 |
住所 | 東京都武蔵野市吉祥寺南町1丁目17−10 F&Wビル 1階 |
電話番号 | 042 224 6206 |
営業時間 | 8:00~19:00(年中無休) |
スターバックスコーヒー
期間限定でゲイシャコーヒーを販売。
自社農園「ハシエンダ アルサシア農園」を持つスターバックス。
2021年10月から全国のスターバックス リザーブ®販売店舗と公式オンラインショップでコスタリカ産ゲイシャコーヒー(「コスタリカ ハシエンダ アルサシア ゲイシャ」)の販売を開始し、注目を集めました。コーヒー豆として購入するのも、店内でバリスタが淹れた一杯どちらも選べ、ドリップ コーヒーの価格は¥1,320(トールサイズ、イートイン) ¥1,296(テイクアウト)、コーヒー豆は250gで¥6,480という高価格帯。
現在はオンラインショップで手に入る
スターバックスのオンラインショップから「コロンビア セロ アズール ゲイシャ バライエタル」が購入できます。
コロンビアでゲイシャ種コーヒーの栽培をいち早く手掛けてきたセロ アズール農園から届いたコーヒーで、250gで¥8,900から買い求めることができます。
スウィートシトラスや桃・ネクタリンなどのストーンフルーツと相性の良いフレーバーです。
店舗一覧の検索はこちら
ゲイシャコーヒーを手軽に飲めるカフェ(東京以外)
大阪
自家焙煎珈琲工房 カフェ バーンホーフ 三番街店
スタッフ全員がSCAJ(日本スペシャリティコーヒー協会)公認のコーヒーマイスターというバーンホーフ。 豆の知識・味覚・焙煎技術・抽出技術など、厳しい審査基準を完全習得した世界的にも数少ない エリート・ライセンサーです。
バーンホーフ ファクトリーストア(福島本店)では、江崎修パティシエが選りすぐりの材料で作るドイツやウィーン菓子が日替りでテイクアウトできるのも魅力。
アクセス | 各線梅田駅徒歩2〜3分すぐ/大阪梅田駅(阪急)から120m |
住所 | 大阪府大阪市北区芝田1-1-3 阪急三番街 B2F |
電話番号 | 06-6372-6651 |
営業時間 | 10:00-21:00(喫茶11:00 より) |
仙台
Patisserie & Cafe MythiQue(パティスリー&カフェ ミティーク)
仙台市青葉区宮町と青葉区中央(クリスロード)にあるケーキ・焼き菓子・コーヒー店「Patisserie & Cafe MythiQue(パティスリー&カフェ ミティーク)」。アートのようなスイーツも楽しめます。自家焙煎のゲイシャコーヒーを取り扱っています。
アクセス | JR仙台駅からクリスロードを通り徒歩5分 |
住所 | 仙台市青葉区中央2-4-11 水晶堂ビル3F |
電話番号 | 022-393-7738 |
営業時間 | 11:00〜20:00 (土日祝 18:00まで) ※ケーキがなくなり次第終了 |
横浜
三本珈琲店 CIAL店
アクセス | JR横浜駅中央北改札内エリアから直結(シァル改札口) |
住所 | 神奈川県横浜市西区南幸1丁目1-1JR横浜タワーCIAL横浜B214 |
電話番号 | 045-620-3311 |
営業時間 | 10:00~21:00(Lo.20:40) ※時間短縮の場合あり |
ギフトで贈るゲイシャコーヒー
ゲイシャコーヒーのおすすめギフトをご紹介します。
ミカフェート
コーヒーハンター川島良彰氏による厳しい品質基準をクリアしたゲイシャコーヒー
世界各地を巡りながら最高級のコーヒー豆を厳選、日本に届けるコーヒーハンター川島良彰氏が創業したミカフェート。
川島氏は約40 年に亘る栽培技術者としての経験も持ち、生豆の収穫から精選プロセス・焙煎まで徹底した品質管理がされています。
コトワ農園「ブルーハ ゲイシャ ナチュラル」
そんなミカフェートでは、パナマのコトワ農園から「気軽に飲める最上級のゲイシャ」として「ブルーハ ゲイシャ ナチュラル」 をオンラインで限定販売しています。
ハチミツやレモン、ジャスミンを彷彿させる甘くて芳醇な香りと、さわやかな酸味が印象的です。
コトワ農園 ブルーハ ゲイシャ 2022 Limited 2本セット COFFEE HUNTERS
- 価格:13,000円(税込)
- 生豆生産国 パナマ共和国
- 生豆産地 チリキ県 ボケテ地方
- 農園 コトワ
- 標高 1,600~1,800m
- 栽培品種 アラビカ種ゲイシャ
- プロセス ナチュラル / ウォッシュト
- 原料豆輸送 リーファーコンテナ
モンテカルロス ゲイシャ ウォッシュト 2022 COFFEE HUNTERS
- 価格:3,800円(税込)
- 生豆生産国 エルサルバドル共和国
- 生豆産地 アワチャパン県 アパネカ地方
- 農園 モンテカルロス
- 標高 1,750m栽培
- 品種 アラビカ種ゲイシャ
- プロセス ウォッシュト
- 原料豆輸送 リーファーコンテナ
店舗カフェでも様々なコーヒーを楽しめる
ミカフェートではゲイシャのみならず世界各国のスペシャリティコーヒーが味わえます。
都内に5店舗と盛岡に1店舗があり、銀座や六本木など洗練された街の店舗から吉祥寺の高架下の店舗まで、シーンに合わせて店舗の雰囲気を楽しめます。また、各店舗のオリジナルブレンドもおすすめです。
Cafe & Shop一覧ページはこちら
【高島屋限定】ゲイシャプレミアムコーヒーギフト(中細挽き)
UCC契約農園から届いたゲイシャ種が楽しめるギフトセット。
ガテマラのUCC契約サンタクララ農園から届いたゲイシャコーヒーと、人気のブルーマウンテンNO.1ブレンド・ハワイコナとセットしたコーヒーギフトです。
- 税込 7,992 円 (税率:軽減8%) ※送料:税込550円
- ガテマラゲイシャサンタクララ農園
- 各100g(中細挽き)
- 賞味期限:製造日より常温で31日以上
- 保存方法:直射日光・高温多湿を避け、常温で保存
常盤珈琲焙煎所
世界中の農園から届いた高品質のスペシャリティコーヒー専門店
大宮に本店を構える常盤珈琲焙煎所は埼玉県内を中心に11店舗とオンラインショップを展開しています。焙煎の挽き具合は10段階から選ぶことができますが、ゲイシャ種は特別焙煎で対応。オンラインショップからはゲイシャ種のコーヒー豆3種類が購入できます。
コロンビア/ラ エストレージャ農園(¥1,728/100g)
コロンビアのラ・エストレージャ農園のゲイシャは、コーヒーの養分が十分に行きわたるための下草除去や細菌から守る防菌措置などを丁寧に施しています。また、日陰で育つコーヒー豆はシェードと呼ばれる樹木と一緒に栽培されます。そうしたシェード管理も3カ月毎に行われ、腐葉土やキノコなどの有機肥料も用いられています。
パナマ/レリダ農園 ゴールドゲイシャ(¥3,240 /100g)
レリダ農園は、コーヒー栽培の実績を100年近く持つパナマでも名門農園の一つ。すでに1929年にパナマコーヒーとしてヨーロッパに向けて輸出をした記録が残っています。当時の取引価格の3倍の価格だったそうです。
スペシャルボックス 青空こなつBL&パナマゲイシャ豆2種(¥4,201(税込)
季節のブレンドコーヒーと一緒にゲイシャコーヒーがセットになったギフトボックスです。
日本で手に入る主な産地・農園別ゲイシャコーヒー
パナマ
パナマといえばエスメラルダ農園の知名度が圧倒的ですが、ゲイシャコーヒーを手掛ける農園は数多くあります。
ジャンソン農園
ジャンソン農園は、エスメラルダ農園と同じくバール果然の北西部の肥沃な火山性土壌の土地にあります。
自然との共生をテーマに地域や産業のサステナビリティに考慮しながら、品質向上に努めてきました。2013年の「ベスト・オブ・パナマ」で2位を獲得し、以後も入賞を重ねています。
Scrop COFFEE ROASTERSでは、ジャンソン農園との直接取引を行い、ベスト・オブ・パナマのオークションでも単独で落札をしています。
https://scrop-coffee-roasters.com/list/geisha.html#Topics02-1
コトワ農園
パナマのコーヒー産地ポケテに位置する農園で、前述のミカフェートも展開するコトワ農園。
創業者はカナダの政治家アレグザンダー・ダンカン・マッキンタイアー氏で、1918年にパナマに移住し、コーヒー栽培を始めました。
当時は電気が通っていなかった辺境のポケテでの創業は苦難の連続でしたが、バルー火山からの豊富な水を利用した水力発電でコーヒー精選工場を作り、農園で働く労働者が現金収入のない時期でも生活に困らないようにと農園内の雑貨屋などで使える域内通貨を発行するなど、労働者を大切にしながら4代にわたってコーヒー栽培を担ってきました。
植生豊かな土壌で収穫されたコーヒーチェリーを、乳酸菌を加えたタンクで発酵させ、エキゾチックな風味を引き出しています。
https://www.mi-cafeto.com/brand/grandcrucafe/51
コスタリカ
北米大陸と南米大陸を結ぶ中米に位置するコスタリカは、生物多様性の宝庫としても知られ、九州と四国を足したほどの国土に、地球上すべての生物種の約5%が生息しています。
出典:https://style.nikkei.com/article/DGXMZO26687160Y8A200C1000000/?page=2
ルヴァ農園
コスタリカの中でも優れたコーヒー産地の一つ、セントラルバレー地区にあるルヴァ農園。
農園主で農業技師でもあるファビオ氏は、コーヒー栽培に携わって90年以上続く一族の3代目です。高品質のスペシャルティコーヒを生産めざし栽培を続けています。2016 年には、COE(Cup of Excellence)で1 位を受賞するなど実績があります。
精製方法は「ハニープロセス」。収穫したコーヒーチェリーの果肉だけを取り除き、粘液質(ミューシレージ)を残したまま乾燥させる精製方法で、コーヒー豆の風味や味わいを調整することができます。
https://www.marumi-coffee.com/shopdetail/000000000415/
ドンホセ農園
標高2,000mに位置するドンホセ農園は、コーヒーが栽培としては上限の標高に近く、風が強い傾斜地に位置しています。コーヒー栽培には厳しい環境ですが、農園主のファン・ラモン氏は、4年間の試行錯誤を経てゲイシャの原産地エチオピアの環境に近づけ、高い標高の寒暖差を生かしたコーヒー栽培を展開しています。
エチオピア
ゲレナ農園
2014年設立の新しい農園ですが、環境への配慮やサステナビリティを考慮した栽培で期待される農園です。
ゲレナ農園では、ゲイシャ種の種子をエチオピアの農業における公的研究機関のひとつ JARC(Jimma Agricultural Research Center:ジマ・アグリカルチュアル・リサーチ・センター)から買付し、ゲイシャ種のコーヒー栽培を手掛けています。
こちらで販売されるゲイシャコーヒーは、グレードG-3に格付けされているため、グレードG-1というゲイシャの中でも最高級のグレードではありません。けれども、完熟したコーヒーチェリーのみを使うことにこだわり、G-1に劣らない風味を持つようです。
https://www.tonya.co.jp/shop/g/g20288/
ゲシャ ビレッジ農園
ゲシャ ビレッジ農園は、2011年に創業。 ゲイシャ種発祥地の近くに位置するビレッジ農園は、アメリカから移住したアダム氏とエチオピア生まれのレイチェル夫人が共同で運営してます。
都市部から離れた鬱蒼として森に位置する農園を苦労しながらゼロから切り拓き、2017年には各国のバリスタ大会でその品質が評価されています。
https://www.tonya.co.jp/shop/g/g20209/
エルサルバドル
エクアドルは南米にある赤道直下の国。首都キトは標高2,850mと高く、アマゾンのジャングルやガラパゴス諸島もあり多様な国土です。
サンタローザ農園
サンタローズ農園は、コーヒー生豆の品評会COE(Cup of Excellence)で複数の優勝経験がある農園です。
農園主のラウール氏は同じエルサルバドルでラスデュアナス農園も手掛けています。ここでは、農園がある地域の住民に雇用の機会を広げ、コーヒーチェリーを積むピッカーという仕事に長く携われるようにしています。
コーヒーチェリーは同じ木になった実でも一斉に熟すことはなく、バラつきがあります。そのため、出来高制の日雇いや季節労働者が多い農園では、完熟していないコーヒーチェリーまで摘んでしまい、コーヒーに渋みやえぐみを残してしまいます。
けれども、この農園のようにピッカーが安定した雇用に就けることで、完熟のコーヒーチェリーを厳選して収穫することができるのです。
https://rokumei.coffee/blog/rokumeiselection7/
エル・カルメン農園
カルメン農園は、エルサルバドルの豊かな森の中にあり、自然環境に配慮した高品質なコーヒーを栽培しています。
エルサルバドルの元大統領クリスティアーニ氏が農園主で、環境に配慮した栽培からエルサルバドルとして初めて「レインフォレスト・アライアンス認証農園」となりました。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000040.000075781.html
ゲイシャコーヒーの入れ方(淹れ方)
精製方法は、ナチュラルとウォッシュドの2種類
コーヒー豆を収穫した後の精製方法には、ナチュラルとウォッシュドの2種類があります。ゲイシャ種では、ナチュラル、ウォッシュドどちらの製法も流通しています。
ナチュラルでは収穫したコーヒーチェリーの果肉を残したまま乾燥させるプロセスのため、コーヒーの風味が残りしっかりしたボディになります。
ただし、水分を含む果肉を残して精製するためカビが生えやすいのがリスク。そのため、エチオピアやイエメンなど、乾燥地で収穫されるコーヒー豆に適した方法とも言えます。
一方のウォッシュドでは、果肉を除去してから乾燥させます。すっきりと爽やかなフレーバーになります。
ゲイシャならではの風味を堪能するナチュラル、酸味を楽しむナチュラルなど、産地や好みによって選ぶことができます。
焙煎は浅煎りからミディアムローストがおすすめ
ゲイシャ本来の繊細な甘みや酸味を楽しむために、浅煎りからミディアムローストがおすすめです。また、苦みや雑味を出さないように粗挽き~中粗挽きが良いとされています。
ただ、好みや趣向は多様です。何を美味しいと感じるのか自身の感性を大事にしてみてはいかがでしょうか。
お湯の温度は75℃~85℃のやや低めで、丁寧にゆっくりと抽出する
温度が低めだとフルーツジュースのような甘いフレーバーが抽出されるゲイシャコーヒー。やや低めでゆっくりと丁寧に抽出することが要です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。「最高級のコーヒー豆」という印象があるゲイシャコーヒー。
芳醇でフルーティーな甘みや深みのある酸味など、ゲイシャでしか味わえない特別なフレーバーを楽しむことができます。
一方で、ゲイシャコーヒーは産地毎に複数のランクで評価されたり、産地や農園によって全く異なるフレーバーが味わえたりします。また、どのような精製プロセス、焙煎方法を取られたかによっても風味が異なります。
「ゲイシャ」というネームバリューにとらわれずに、自分の好きなコーヒーの風味を見極めて、選択肢の一つとして試してみてはいかがでしょうか?きっとコーヒーの奥深い世界を手繰り寄せることができるはずです。
参考サイト:
ゲイシャコーヒーの名前の由来と注目される理由とは?贅沢な楽しみ方も紹介
一度飲むと忘れられない「ゲイシャコーヒー」って!? 幻のコーヒーの魅力を『丸山珈琲』からレポート
パナマ エスメラルダ農園の歴史:ゲイシャ ベスト・オブ・パナマ エスメラルダ スペシャル

小島 美緒
Mio Kojima