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チョコレートの世界

【保存版】もらうと嬉しい板チョコ簡単レシピ6選!板チョコ3社比較やギフトに人気の板チョコも紹介

2022.3.23

バレンタインや誕生日、特別なお祝いに贈ると喜ばれる手作りチョコ。手作りしようと意気込んでいても、忙しかったり、お菓子作りに慣れていなかったりすると直前になって焦ってしまうこともありますよね。今回はそんな人たちのために、板チョコを使ってできる簡単レシピを紹介します。失敗しない調理方法やワンランク上のチョコ作りのポイントをつかんで、大切な人に喜んでもらえるチョコ作りをしましょう!

板チョコとは

板チョコとは

板チョコとは、液体状のチョコレート生地を板状の平たい型に流し込み、冷やし固められたもの。日本では板チョコや板チョコレートと呼ばれていますが、フランス語では「タブレット」、英語圏では「チョコレートバー」と呼ばれることもあります。近年、日本でもチョコレート売り場などで「タブレット」という言葉をよく聞くようになりましたが、板チョコと同じ意味と捉えてください。

参考:チョコレート検定「代表的な製造方法」

簡単に作れる!板チョコレシピ6選

手作りチョコ6選

「手作りチョコに挑戦したいけど何を作ればいいかわからない」そんな人のために板チョコを使った簡単レシピを6つ紹介します。お菓子作りに不慣れな人、時短で手作りチョコを作りたい人もぜひ参考にしてみてください。

黄金比は板チョコ:生クリーム=2:1!しっとりなめらか簡単生チョコ

生チョコレシピ

生チョコとはチョコレート生地に温めた生クリームを混ぜ合わせ、なめらかな食感に仕上げたもの。アンケート調査では「好きなチョコレートのタイプ」として約3割の人が「生チョコ」と答えるほど人気なチョコレート菓子です。

【生チョコ20個分(2cm×2cm)を作るときの目安】

作り方 レシピを見る
材料 板チョコ250g(板チョコ5枚分)
生クリーム120 g
ココアパウダー10g
所要時間 約90分(冷やす時間含む)
費用 約800円
カロリー 54kcal(1個あたり)
賞味期限 冷蔵保存して2~4日
注意点 長時間の持ち運びには不向き。2~3時間程度の持ち運びであれば、保冷剤を添えれば可能です

板チョコと生クリームの分量比は、板チョコ(ミルクチョコレート):生クリーム=2:1を基準にしましょう。チョコレートの種類によって分量比も異なるので、下の表を参考にしてみてくださいね。

【生チョコを溶かす時の黄金比】

チョコレート:生クリーム
ダークチョコレート 3:2
ミルクチョコレート 2:1
ホワイトチョコレート 3:1

 

参考:MyEL「チョコレートに関するアンケート調査」中沢乳業「プロが教えるお菓子の知恵袋」クラシル「材料3つで簡単 生チョコ レシピ・作り方」

糖分控えめ!ハイカカオチョコで作るヘルシーガトーショコラ

ガトーショコラ

ガトーショコラとは、フランス語でチョコレートのケーキという意味。小麦粉、バター、卵、溶かした板チョコを使い、オーブンで焼いて作るのが主流です。

今回は健康志向の人や糖質制限を行いたい人向けに、豆腐を作ったヘルシーガトーショコラのレシピを紹介します。お家にある材料を多く使っているので、お財布にも優しいのもポイントです。

【ガトーショコラ18cm パウンド型1個分を作るときの目安】

作り方 豆腐を使ったヘルシーガトーショコラのレシピはこちら

基本のガトーショコラはこちら

材料 ハイカカオチョコレート100g(※レシピでは明治チョコレート効果を使用)
絹ごし豆腐150g
卵3個
はちみつ おおさじ3
薄力粉20g
ココアパウダー20g
所要時間 約180分(焼き時間含む)
費用 約400円
カロリー 195kcal(ホールを8等分した1片あたり)
賞味期限 冷蔵保存して4~5日。1~2日置くとより美味しく食べられます
注意点 長時間の持ち運びには不向き。2~3時間程度の持ち運びであれば、保冷剤を添えれば可能です

 

参考:チョコレート検定「代表的なショコラスイーツ-ガトーショコラ-」、天満紙器株式会社「手作りチョコの日持ちは何日?手作りトリュフや焼き菓子の賞味期限や保存方法」

ホットケーキミックスで♪時短&簡単ブラウニー

ブラウニー

ブラウニーはアメリカの伝統的な焼き菓子で、英語の“brown”が名前の由来であるように「茶色っぽいもの」を意味します。家庭のお菓子として親しまれてきたブラウニーは、家庭の数だけレシピがあるほど作り方はさまざま。チョコレートを使ったケーキ生地にクルミやナッツなどを加えて焼き上げるのが定番です。

ブラウニーはガトーショコラと見た目が似ていますが、作り方や食感は別のものです。おもに卵の使い方や、薄力粉が異なるため、ガトーショコラはふんわりとケーキのような食感、ブラウニーはケーキとクッキーの間のようなさっくりした食感になります。

ここでは、ホットケーキミックスを使ったブラウニーを紹介します。家に余りがちなホットケーキミックスを上手にアレンジしましょう。

【HMを使った簡単ブラウニー(18cm×18cm角形1台分)を作るときの目安】

作り方 ホットケーキミックスを使ったアレンジレシピはこちら
ホットケーキミックスを使わない基本の作り方はこちら
材料 ミルクチョコレート100g(板チョコ2枚分)
無塩バター50g
卵2個
砂糖50g
牛乳大さじ3
ホットケーキミックス150g
ココアパウダー大さじ3
くるみ(ロースト)60g
所要時間 約60分(焼き時間含む)
費用 約600円
カロリー 79kcal(4cm角正方形1個あたり)
賞味期限 冷蔵保存して4~5日。1~2日置くとより美味しく食べられます

 

参考:TOMIZ「ガトーショコラとブラウニーって何が違うの?」、参考:チョコレート検定「代表的なショコラスイーツ-ガトーショコラ-」、天満紙器株式会社「手作りチョコの日持ちは何日?手作りトリュフや焼き菓子の賞味期限や保存方法」

簡単なのに豪華で美味しい!食感を楽しめるチョコレートサラミ

チョコサラミ

チョコレートサラミは、溶かしたチョコレートにナッツやマシュマロ、ドライフルーツなどを混ぜ合わし、筒状に固めたイタリアの伝統的なお菓子です。クリスマスやイースターのイベントの際、お肉のサラミに限りなく似せたチョコレートを作って家族を楽しませていたのが始まりなのだとか。

見た目にインパクトがあるチョコレートサラミは、作り方が「混ぜる・包む・固める」の3ステップと、とても簡単です。ピスタチオや好きなドライフルーツなど、食べる人の好みによって簡単にアレンジできるので、お菓子作りが初めての人も作りやすい一品です。

【チョコレートサラミ2本分を作るときの目安】

作り方 レシピはこちら
材料 ミルクチョコレート150g(板チョコ3枚分)
生クリーム100cc
粉砂糖 適量
ドライクランベリー30g
ミニマシュマロ30g
ビスケット30g
ミックスナッツ40g
所要時間 約180分(冷やす時間含む)
費用 約700円
カロリー 160kcal(1片あたり)
※1本分は約1000kcal~1300kcal
賞味期限 冷蔵保存して3~4日。冷凍保存の場合、2週間前後。
注意事項 長時間の持ち運びには不向き。2~3時間程度の持ち運びであれば、保冷剤を添えれば可能です

 

参考:明治「カカオの文化-イタリア SALAME DI CIOCOLATO(チョコレートサラミ)-」デリッシュキッチン「食感美味しい♪チョコレートサラミ」

ポリ袋で実現!トースターで焼ける板チョコクッキー

チョコクッキー

手作りお菓子に欠かせない手作りクッキーは、薄力粉、バター、砂糖、卵を練った生地を冷やし、型抜きしてオーブンで焼くのが主流です。基本さえ押さえれば、好きな形に型抜きしたり、マーブル模様にしたりとアレンジを楽しめます。

ここでは、板チョコを使ったチョコクッキーの作り方を紹介します。ポリ袋を使って簡単に生地を作る方法を紹介しているので、小さい子供がいる家庭でも一緒にお菓子作りが楽しめますよ。

【板チョコクッキー(15枚分)を作るときの目安】

作り方 レシピはこちら
材料 板チョコ50g(板チョコ1枚分)
薄力粉100g
純ココア 大さじ2
砂糖 大さじ3
卵黄 1個分
溶かしバター(無塩)50g
所要時間 約40 分(冷却・焼き時間含める)
費用 約300円
カロリー 84kcal(1枚あたり)
賞味期限 約3~4日
注意事項 ジップ付のビニールや密閉容器に入れ、湿気がこもらないように保存すること。

 

参考:デリッシュキッチン「ポリ袋で作る!トースター焼きチョコクッキー」

レンジで簡単!マーブル模様の板チョコバーク

最近SNSで話題の「板チョコバーク」は、数種類の板チョコでできたマーブル模様が特徴的です。板チョコをバキバキ割って並べ、レンジで加熱。溶けかけのチョコに爪楊枝でマーブル模様を描いたり、トッピングをのせたりした後、冷やすと完成です。

簡単に見映えのいいものを作れるだけでなく、アレンジ次第でオリジナリティを出せるので、家族で一緒に手作りチョコを作りたい人、デザイン性で相手を喜ばせたい人にはぴったりのレシピです。

【板チョコバーク(15cm×20cm  9片分)を作るときの目安】

作り方 レシピはこちら
材料 ミルクチョコレート50g(板チョコ1枚分)
ホワイトチョコレート50g(板チョコ約1枚分)
ストロベリーチョコレート50g(板チョコ約1枚分)
(以下 好きなトッピング)
ナッツ 適量
マーブルチョコ 適量
アポロ 適量
小粒のマシュマロ 適量
所要時間 約15 分
費用 約800円
カロリー 110kcal~130kcal(1片あたり)
賞味期限 約3~4日
注意事項 電子レンジで長時間加熱すると、焦げの原因になるので、様子を見ながら溶かしましょう。

 

参考:暮らしニスタ「バレンタインに♡簡単おしゃれなチョコレートバーク」

板チョコの失敗しない溶かし方

板チョコの失敗しない溶かし方

板チョコを使ったお菓子作りで失敗しやすいのは、板チョコを「溶かす」工程です。板チョコを溶かしていたら分離(※)が起きてしまったり、ボソボソに固まってしまったりと、せっかくのお菓子作りが失敗に終わってしまった経験は誰もが持っているでしょう。

ここでは、板チョコを溶かす時の失敗しないコツや、失敗してしまった時の対処法を解説します。お菓子作りを始める前にチェックして、手作りチョコを成功させましょう!

※チョコレートの分離:チョコレートと油分がわかれてしまうこと。

早さと効率重視する人向け!電子レンジで板チョコを溶かす方法

電子レンジで板チョコを溶かす方法

電子レンジで板チョコを溶かすメリットは、時短で簡単に板チョコが溶かせること。耐熱ボウルとベラという必要最低限の調理器具で溶かすことができ、湯せんや後片づけの時間も省けるので、手っ取り早さを重視している人にはおすすめです。

ただし電子レンジで板チョコを溶かすときは、板チョコに均等に熱が通りにくく、加熱されすぎた結果焦げやすくなってしまいます。失敗しないコツを掴んで、電子レンジで効率よく板チョコを溶かしてみましょう。

【準備する物】

板チョコ、耐熱ボウル、ゴムベラ(スプーンでも可)、電子レンジ

【溶かし方】

  1. 板チョコを均等な大きさに刻む
  2. 刻んだチョコをラップをせずに耐熱容器に入れ、500~600Wのレンジで1分加熱する(板チョコが複数枚でも温度、時間は同一)
  3. 完全に溶けていない固形の状態のチョコレートを混ぜ、溶かす
  4. ふたたび10秒ほど加熱→レンジから取り出して混ぜる工程をチョコレートがなめらかになるまで繰り返す

参考:macaroni「温度が決めて!チョコレートの湯煎方法。よくある失敗や解決方法とは?」

板チョコを電子レンジで溶かす時のポイント

電子レンジで板チョコを溶かす時のポイント

チョコレートは温度変化や湿気に弱い食品なので、熱しすぎたり水気が混じってしまうと、分離や焦げの原因になってしまいます。ここで紹介するポイントを必ず守って、電子レンジで板チョコを上手に溶かしましょう。

チョコレートに水分は絶対につけないで

チョコレートに水分が入ってしまうと、チョコレートがきれいに溶けなかったり、分離したりする原因となります。調理を始める前に、まな板や包丁、ボウルなどすべての調理器具の水分をキッチンペーパーや乾いたふきんで拭きましょう。

板チョコをレンジで温める際、ラップをつけないのもポイントです。水蒸気や水分がチョコレートにつくのを防げます。

参考:ガーナ「手作り基本(チョコ)」

レンジに入れる前にチョコレートを細かく刻む

チョコレートを細かく刻む

板チョコを刻む時は、均等の大きさで細かく刻むことがポイントです。チョコレートに均等に熱がいきわたり、時短でムラなく板チョコを溶かせるようになります。

包丁とまな板を使って細かく刻むのが理想ですが、洗い物を増やしたくない人は板チョコを手で砕いても大丈夫です。まな板と包丁を使う人は水分を拭くことを忘れないでくださいね。

数回レンジから取り出してかき混ぜる

チョコレートをレンジで加熱しすぎるとチョコレートが焦げてしまうので、板チョコを長時間レンジで加熱することは絶対に避けましょう。初めに電子レンジから板チョコを取り出す時は、一部しか溶けていない固形の状態で大丈夫。余熱を使って徐々に溶かしていけばいいのです。10秒温めてかき混ぜる工程を数回繰り返して、板チョコがなめらかに溶け切るまで辛抱しましょう。

参考:ELLE「チョコレートって電子レンジで溶かしちゃダメなの!?」

チョコの風味を活かそう!板チョコを湯せんして溶かす方法

湯せんしたチョコ

板チョコの風味を損なわないためには、湯せんで板チョコを溶かすのがおすすめです。使う道具が増えたり、ゆっくりとかき混ぜたりと手間や苦労がかかりますが、チョコの風味を活かしたチョコが出来上がります。ポイントを捉えながら、焦らず丁寧にチョコを溶かしていきましょう。

【準備する物】

板チョコ、まな板、包丁、クッキングシート(防水用)、大小のボウル、ゴムベラ

【溶かし方】

  1. 板チョコを均等な大きさに刻む
  2. 水を湯にかけ、鍋底から泡が出たら火からおろし、適温になるまで冷ます
  3. 1.で刻んだチョコを別のボウルに入れ、2.に浸ける
  4. ダマがなくなり、なめらかな状態になるまでチョコをゆっくりとかき混ぜる

詳しいレシピはこちら

板チョコを湯せんで溶かす時のポイント

チョコを湯せんする時は調理器具を拭こう

湯せんで板チョコを溶かす際、お湯の温度調節や混ぜるタイミングなど、ポイントがいくつかあります。ここで紹介するポイントをしっかり捉え、手作りチョコに肝心なチョコを「溶かす」ステップを成功させましょう。

チョコレートを均等に刻んでムラなく溶かそう

チョコを湯せんで溶かす前に、板チョコを細かく、均等な大きさに刻みましょう。そうすることでムラなく溶かすことができ、ダマが残ってしまうのを防ぎます。

板チョコを刻む時は、まず角から大きく刻み、刻んだものを中心に集めさらに細かく刻んでいきましょう。まな板にクッキングシートを敷いて刻むと、チョコに水分がつく心配もありませんし、洗い物が楽にすみますよ。

参考:クラシル「チョコレートの湯せん レシピ・作り方」

チョコに水が入らないようにする

ボウルに水を入れないよう注意

チョコレートは水気に弱い食品。チョコに水分が入ると、分離を引き起こしたり、チョコを固める時にムラができたりします。板チョコに水分がつかないよう、まな板、包丁、ボウルなどの調理器具についている水は必ずキッチンぺーパーで拭きましょう。板チョコを刻む時、まな板にクッキングシートを引くと、チョコに水気がつく心配がなくなりますよ。

板チョコを湯せんする際に、ボウルに水が入るのも必ず防ぎましょう。板チョコの入ったボウルが湯の張ったボウルより小さいと、水蒸気でチョコに水気がついたり、うっかりボウルの中にお湯を入れてしまうリスクもあります。できるだけ板チョコを入れるボウルはお湯用のボウルより大きいものを使ってください。

板チョコの種類によって違う!お湯の温度をしっかり守って溶かそう

高温で板チョコを熱すると、チョコレートの分離や風味が落ちる原因となるので、湯せんする際に適切な温度で溶かすことが重要です。板チョコは原料の配合の違いによって溶ける温度もさまざまなので、下記の表を参考に湯せんのお湯の温度を設定しましょう。

【板チョコの湯せん温度】

板チョコの種類 湯せん温度 調理のコツ
ダークチョコ 50℃~55℃ 沸騰した湯に同量の水を入れることで適温になります
ミルクチョコ 45℃~50℃ 水を火にかけ、鍋の底から泡が出始めたら60℃。火を止め、お風呂のお湯より少し熱い状態でチョコを溶かし始めましょう
ホワイトチョコ 40℃~45℃ お風呂の温度と同じくらいの熱さになったらチョコを溶かし始めましょう

 

参考:cuoka「各社チョコレートのテンパリング温度」TOMIZ「失敗しないテンパリング方法」

時間をかけて丁寧に混ぜよう

チョコはゆっくりと時間をかけて混ぜることがポイントです。チョコに熱が伝わらないうちに勢いよく混ぜると、チョコの溶け加減にムラができてしまいます。鍋の底から熱が伝わりチョコが溶け出したら、熱が均一に伝わるように静かに混ぜるよう心がけましょう。ゆっくりと溶かしたチョコは、再び冷ました後も固まりやすく、お菓子作りに活用しやすいですよ。

参考:クラシル「チョコレートの湯せん レシピ・作り方」

板チョコを溶かすのに失敗してしまったら?

失敗したときの対象法

コツを押さえたつもりでもわずかの温度の差や調理時のミスで、板チョコは溶けにくくなってしまいます。分離してしまったり、チョコがボソボソになってしまっても、チョコ作りを諦める必要はありません。ここでは板チョコを溶かすのに失敗してしまった時の対処法を紹介します。

温めた牛乳か生クリームを加える

チョコが分離したら温めたミルクを

分離してしまった、また固まりができてなめらかにならない場合は、温めた牛乳か生クリームを加えるのが有効です。以下の手順で行こなってください。

  1. チョコレートを再び50~55℃(ダークチョコレートの場合)の湯で湯せんし溶かす
  2. 大さじ1~2杯ほどの牛乳、または生クリームを火にかけ、沸騰直前(鍋の底から泡が出始める頃)まで温めて火を止める
  3. 1.に2.の牛乳または生クリームを数回にわけて入れ、ゆっくり混ぜる

チョコを溶かす時に、固まりができてしまったり分離してしまったりするのは、「湯せんの温度が高すぎる」、「チョコに水分が入ってしまう」のが原因です。高温で加熱しすぎると、対処しきれないこともありますので板チョコを溶かす前に、十分に注意して溶かし始めましょう。

参考:調味料辞典「チョコレートが分離する原因と復活方法!牛乳での直し方は?」

アレンジして他のお菓子を作る

どうしても板チョコがなめらかにならない場合は、アレンジして他のお菓子を作るのもひとつの手です。ツヤやなめらかさが落ちてしまうので、生チョコやコーディングなどのチョコの必要なお菓子は作れませんが、クッキーやブラウニーなどにはアレンジ可能です。なめらかにならなかった板チョコを活用したアレンジ方法をクックパッドより厳選して紹介します。

ワンランク上の本格的なチョコ作りのコツ

ワンランク上の本格的なチョコ作りのコツ

いつもの手作りチョコよりクオリティの高いチョコ作りに挑戦したい人のために、ワンランク上の手作りチョコを作るポイントを紹介します。比較的高めの材料費や緻密な作業が必要となってきますが、労力をかける分、より美味しい手作りチョコができるはずです!恋人や意中の人にも自信をもって手作りチョコを届けられるでしょう。

チョコレートの美味しさは、風味と食感で決まる

チョコレートを美味しくする要素は、パチンと割れるスナップ性、つるつるとした表面の光沢感、口の中に入れるととろりと溶ける口溶け感、舌や鼻に発散される味成分や香り成分などです。これら要素がそろった時に、チョコレート独特の味や香りをより感じられます。

ここでは、チョコレートのスナップ性や光沢感を出す「クーベルチュールチョコレート」について紹介します。

クーベルチュールチョコレートとは国際規格をクリアした製菓用のチョコレート

クーベルチュールチョコレート

クーベルチュールチョコレートとは、ココアバター(カカオ豆の油脂)を多く含む製菓用のチョコレート。国際規格(CODEX)では、ココアバター31%以上、カカオマス(カカオ豆の固形分)2.5%以上、総カカオ分(ココアバター+カカオマス)が35%以上の条件をもつチョコをクーベルチュールチョコレートと定義しています。

代表ブランドとして、大東カカオ、不二製油、カレボー、ヴァローナなどがあげられ、形は板状、コイン形、ダイス形などさまざまです。

クーベルチュールチョコレートはコーディングや繊細なデコレーションに最適

クーベルチュールチョコレートはケーキの装飾に最適

クーベルチュールチョコレートが板チョコと大きく異なるのは、チョコに含まれるココアバターの割合が高いことです。溶かした普通の板チョコと比べると、粘り気が少なく、ツヤがありサラサラと流れることが特徴です。

用途としては、薄いコーディングとして使用することに適しており、ボンボンショコラのコーディングやデザートの華やかな飾りつけに使用されることが多いです。クーベルチュールチョコレートをさらにテンパリングすると、ツヤとなめらかさを倍増させられますよ。

参考:日本チョコレート・ココア協会「クーベルチュールチョコレート」

ココアバターの溶け方が美味しさと密接に関係している

チョコレートの原材料であるココアバター(油脂)は25℃で徐々に溶け始め、30℃を超えたあたりで一気に融解が進み、35℃に達する前に完全に溶け切ります。私たちがチョコレートを食べる時に感じる独特の味や香りは、ココアバターの融解が進んだ時に、閉じ込められていた味成分や香り成分が一気に解放され、舌や鼻に発散することによって感じられるのです。

したがって、チョコレートの美味しさを追求するためには、ココアバターの融解特性を活かすための管理が重要です。ここでは、チョコレートやココアバターを管理する上で重要な役割を果たす「テンパリング」や、テンパリングの方法について紹介します。

参考:上野聡著「チョコレートのおいしい物理学」

テンパリングは安定した結晶を作りだす作業

そもそも私たちが手にする板チョコが固形であるのは、原料であるココアバターが結晶化しているから。結晶には「不安定な結晶」「安定した結晶」などさまざまあり、すべて安定した結晶になっていないとチョコレートにツヤやなめらかさが出ません。

テンパリングは結晶をすべて「安定した結晶」にするために行われる工程です。一度溶かしたチョコを一定の温度に下げ、再び熱すといった緻密な作業が必要になります。

テンパリングの方法

テンパリングの方法

詳しいテンパリングの方法を紹介します。テンパリングの方法は複数ありますが、ここで紹介するのは一般的な「水冷法」です。

【準備する物】
温度計、鍋、ボウル2個、ゴムベラ、板チョコ(クーベルチュール(※)推奨)
※クーベルチュールチョコレート:製菓用のチョコレート

【手順 ~ダークチョコレートの場合~】

  1. 50~55℃の湯で細かく刻んだ板チョコを湯せんし、溶かす
  2. チョコが溶けたらボウルを冷水(または氷水)につけチョコレートの温度を27~29℃まで下げる(※ミルクチョコの場合は26~28℃、ホワイトチョコの場合は26~27℃を目安に)
  3. 再びチョコの入ったボウルを湯せんし、チョコレートが31~32℃になるまでゆっくり混ぜる。湯に2~3秒当てた後取り出し、余熱でかき混ぜる作業を繰り返すことで温度を上昇させるのがポイント(※ミルクチョコの場合は29~30℃、ホワイトチョコの場合は29℃を目安に)
  4. 少量のチョコレートを試験的に冷やし、数分後に固まればテンパリングは成功!

詳しいテンパリングの方法はこちら

参考:cuoka「各社チョコレートのテンパリング温度」、チョコレート検定「テンパリング(調温)」

テンパリングしたチョコのメリット

テンパリングのメリット

テンパリングをしたチョコは、単に湯せんして溶かしたチョコに比べ、以下の5つのメリットがあります。

  • ツヤが出る
  • 口どけが良くなる
  • 型に流し込んだチョコが取り外しやすくなる
  • ブルーム現象(※)が起こりにくくなる
  • パキッときれいに割れる

※ブルーム現象:チョコレートの表面が白くなったり、白い粉が吹いた状態になること

テンパリングしたチョコレートをクッキーやパイ生地のコーディングに使ったり、型をとって店に並ぶようなツヤのあるチョコレートを作ったりと、応用の幅が広がります。いつもとひと味違う手作りチョコに挑戦したい人はぜひテンパリングをしてみてください。

参考:チョコレート検定「テンパリング(調温)」

板チョコの正しい保存方法

チョコレートの保存方法

チョコレートは湿度や温度の変化に弱い食品です。溶けかけの板チョコを急に冷やしたり、暖かい場所で保管したりすると、白い粉のようなものが吹いたり、風味や口どけが損なわれてしまいます。直接板チョコを食べる時はもちろん、お菓子作りの際に美味しい板チョコを使えるように、保存のポイントをおさえておきましょう。

参考:チョコレート検定「保存方法と注意点」

板チョコの保存温度は15-18℃の涼しい場所が理想

板チョコに含まれるココアバター(油脂)は25℃で溶け始めます。そのため、板チョコは15-18℃の涼しい場所で保管するのが理想的です。冬は常温でも保存が可能ですが、直射日光が当たる所に置いたり、高温の場所で保管したりしないように注意しましょう。また、溶けてきている板チョコを、急に冷却するのも避けましょう。

冷蔵庫の野菜室で密閉して保存しよう

板チョコを冷蔵保存する場合は、冷蔵庫の野菜室を利用するのがおすすめです。これは、急激な温度変化によりチョコレートの風味が損なわれるのを防ぐため。冷蔵庫の野菜室は3~8℃と、冷蔵庫の中でも比較的温度が高いため、チョコレートの保管に適しているのです。

板チョコをラップやアルミで包み、ファスナー付きビニール袋に入れて保管すると、板チョコの冷えすぎを防げます。湿気がこもらないよう密閉するのもポイント。他の食品のにおいの染みつきや乾燥から守る効果もあるので、ぜひ試してください。

参考:チョコレート検定「保存方法と注意点」

【実食】板チョコ3社比較 !自分にあった板チョコを選ぼう

板チョコ3社比較

ここでは、スーパーやコンビニで売っている板チョコの価格や味の違いを紹介します。同じフレーバーの板チョコでもブランドによって味は変わるので、本章を参考にお気に入りの板チョコを見つけてみてください。

大手3社の板チョコはすべて50グラム110円

ここでは、企業3社の板チョコの価格や内容量を比較をしています。結論から言うと、3社とも50g110円(税別)で同じですので、購入時の決め手はカロリーや種類の豊富さ、味の違いとなるでしょう。

ミルクチョコレートで比較した場合、カロリーが一番低いのはロッテのガーナミルクチョコレートで278kcal。種類の豊富さは、明治、ガーナが多く、ともに5種類でした。明治はミルクチョコレートを、ミルクとハイミルク(濃いミルク)に展開していますが、ガーナではミルクとローストミルク(焦がしミルク)に展開しているのが特徴です。

内容量 価格 カロリー 味の種類
明治 50g 110円(税別) 283kcal ミルク、ブラック、ハイミルク、ホワイト(40g)、ストロベリー(46g)
ガーナ 50g 110円(税別) 278kcal ミルク、ブラック、ローストミルク、ホワイト(45g)、ピンク(45g)
森永製菓 50g 110円(税別) 284kcal ミルク

 

参考:株式会社明治「ミルクチョコレート」LOTTE「ガーナミルク」MORINAGA「森永ミルクチョコレート」

味の違いは?大手3社のミルクチョコレート実食比較

普段よく目にする大手3社の板チョコを、筆者が実食し比較した結果を紹介します。今回取り上げるのは、日本人に最も人気のミルクチョコレート。甘さ、口どけ、コク、ミルク感、後味の余韻を比較のポイントに、評価してみました。

ミルク×カカオのバランスが絶妙!板チョコで迷ったら王道の明治の板チョコ

【明治ミルクチョコレートの評価】

甘さ ★★★☆☆
口どけ ★★★☆☆
コク ★★★★★
ミルク感 ★★★★★
後味の余韻 ★★☆☆☆

明治ミルクチョコレートは、3つの板チョコの中で最もミルク感が感じられました。口の中でチョコが溶ていくとともに、鼻からふわっとミルクの香りがぬけていくのを楽しめます。カカオ×ミルクのバランスが絶妙で、甘すぎず、コクがあり、万人ウケするベーシックな板チョコという印象です。厚みがあり、パキッという食感が感じられるのも印象的でした。

明治ミルクチョコレートは大手3社の板チョコの中で唯一、植油脂を使用していないということも特徴です。植物油脂はなめらかさを出してくれますが、カカオ本来の風味を損なう原因になることもあります。植物油脂を使わない姿勢を貫き通しているからこそ、明治の板チョコならではのコクや香ばしさが味わえるのかもしれません。

甘さとなめらかさを求めるならロッテの板チョコ

ロッテ ガーナミルク

出典:LOTTE

【ロッテ ガーナミルクの評価】

甘さ ★★★★★
口どけ ★★★★★
コク ★★★☆☆
ミルク感 ★★★☆☆
後味の余韻 ★★★★☆

ロッテのガーナミルクチョコは、「甘さ」と「なめらかさ」が特徴で、チョコレートが溶け出すと甘さが一瞬で口の中にふわっと広がります。とろっとした粘り気のあるなめらかさもあり、チョコレートが溶け切った後も余韻を楽しめます。甘いものが好き、なめらかな口どけを楽しみたい人にはおすすめです。

唯一、箱のパッケージを使用していることもポイントです。中の板チョコが割れる心配もなく、カバンにさっとしのばせて持ち運べるのは嬉しいですよね。パッケージの裏には手作りチョコのレシピのQRコードが記載されており、ガーナ独自のレシピがすぐに見られます。

後味すっきりの甘さを楽しむなら森永製菓の板チョコ

森永ミルクチョコレート

出典:MORINAGA

【森永ミルクチョコレートの評価】

甘さ ★★★★☆
口どけ ★★★★☆
コク ★★★☆☆
ミルク感 ★★★☆☆
後味の余韻 ★★☆☆☆

森永製菓のミルクチョコレートは他の2社とは違う、外国風のチョコレートの甘さを感じられました。食感は比較的柔らかく口どけも良いですが、キレが良いため甘さが口の中に残りません。口にチョコが残るのが苦手な人にはぴったりの板チョコでしょう。近年、コンビニやスーパーで目にすることが少なくなってきていますが、販売継続中です(2022年3月現在)。業務用スーパーや薬局、100円ショップなどで手に入ることが多いですよ。

森永製菓の板チョコは、持続可能なカカオ栽培を応援する「ココアホライズン」認証カカオや環境に配慮した包装素材を使用していることもポイントです。購入が、カカオ農家の繁栄やCO2排出量の削減などにつながるのも魅力的ですね。

参考:MORINAGA「森永ミルクチョコレート」

原料の配合によって異なる5種の板チョコ

板チョコの種類

板チョコといっても、色や香り、味はさまざま。その違いは、使われる原料やその配合によって生じます。ここでは、原料の配合によって異なる板チョコを細かく5種類にわけ、紹介します。

板チョコの主な原料

一般的に板チョコは以下の5つの主原料から作られており、原料の組み合わせや割合によって板チョコの味や色、風味が決まります。5つの原料とその役割を紹介します。

【板チョコの主な原料】

カカオマス カカオ豆(皮を除いたもの)をすりつぶしてペースト状にしたもの。多いほどカカオ本来の味が味わえる
ココアバター カカオ豆に含まれる油脂。口どけをなめらかにする
砂糖 チョコレートを甘くする役割をもつ
乳製品 牛乳を乾燥させた粉乳を使用。チョコレートをマイルドにする
その他
 レシチン 各原料をうまく混ぜ合わせる材料
 香料 フルーツやバニラ、花などチョコレートの香りづけに使用される

原料の配合で決まる!5種類のチョコの特徴

板チョコの種類は主原料の配合により、基本的には「ダークチョコレート」「ミルクチョコレート」「ホワイトチョコレート」に分類されます。本記事では、カカオ分(※)の割合や、色の違いにも着目し、さらに細かく5種類に分類して紹介します。

※カカオ分:カカオ豆由来原料(カカオマス+ココアバター)の割合

甘さ控えめ!ほろ苦さを楽しみたいならダークチョコレート

ダークチョコレート

【ダークチョコレートの原料】

カカオマス ココアバター 砂糖 乳製品

(40~60%以上)

ダークチョコレートとは、「カカオマス」「ココアバター」「砂糖」「レシチンや香料など」から作られた板チョコ。一般的にはカカオマスが40~60%以上のものを指します。カカオ豆由来の原料が多く含まれるため、カカオ豆本来の味わいをダイレクトに感じられます。

スーパーやコンビニでは「ブラックチョコレート」として売られていることが多く、甘さ控えめのビターな味が好きな人におすすめです。ダークチョコレートについてより詳しく知りたい方はこちらも参考にしてみてください。

健康志向の人にはカカオ70%以上のハイカカオチョコレート

ハイカカオチョコレート

【ハイカカオチョコレートの原料】

カカオマス ココアバター 砂糖 乳製品

(70%以上)

カカオマスが40~60%以上を占めるダークチョコのうち、カカオ分が70%以上のチョコはハイカカオチョコレートと呼ばれます。ハイカカオチョコレートは一般的な板チョコよりも砂糖やミルクの分量が少ないため、甘さ控えめ。カカオ豆本来の味わいもより感じられます。ポリフェノールを多く含むため美容や健康にも良く、ダイエット中の人や健康志向の人におすすめの板チョコです(※)。

※ハイカカオチョコレートの食べ過ぎは肥満につながります。一日15~20gを目安に摂取すると、健康効果が得られます。

参考:チョコレート検定「チョコレートの配合」、CACAOLOGY「【完全解説】ダークチョコレートで得られる健康・美容・ダイエット効果」

日本人に慣れ親しんだ味!手作りチョコにも万能なミルクチョコレート

ミルクチョコレート

【ミルクカオチョコレートの原料】

カカオマス ココアバター 砂糖 乳製品

ミルクチョコレートは、「カカオマス」「ココアバター」「砂糖」「レシチンや香料など」に乳製品(粉乳)を加えたチョコレートです。乳製品が加わることでマイルドな味わいになるのが特徴です。

日本では好きなチョコレートとして約7割がミルクチョコレートと回答しているように(株式会社明治「意識調査」)、ミルクチョコレートは日本人に人気で、慣れ親しんだ味といえるでしょう。手作りチョコに使う板チョコとしても多く使われています。

参考:株式会社明治「明治ザ・チョコレート presents 日・仏「大人舌」意識調査」

なめらかな口どけ!甘みが強いホワイトチョコレート

ホワイトチョコ

【ホワイトチョコレートの原料】

カカオマス ココアバター 砂糖 乳製品

ホワイトチョコレートは「ココアバター」「砂糖」「乳製品」「レシチンや香料など」から作られる白い板チョコ。チョコレートの主成分であるカカオマスを使用しないため苦みや渋みがなく、かわりに甘いミルク感が味わるのが特徴です。

一般的な茶色のチョコ同様、ココアバター(油脂)は使用しているため、なめらかな口どけも楽しめます。チョコを溶かす時は、ダークチョコやミルクチョコより溶ける温度が低いので、加熱しすぎに注意してください。

フルーティな甘酸っぱさを味わえるルビーチョコレート

ルビーチョコレート

【ルビーチョコレートの原料】

カカオマス ココアバター 砂糖 乳製品
〇(ルビーカカオ)

ルビーチョコレートは、「カカオマス(ルビーカカオ)」「ココアバター」「乳製品」「砂糖」「クエン酸(赤色を保つための素材)」「レシチンや香料など」から作られる濃いピンク色の板チョコです。特徴は、宝石のルビーのようなピンク色とフルーツのような甘酸っぱい風味。2017年に第4のチョコレートとして発表されて以来、人気を集めています。

いちご風味の板チョコとの大きな違いは原料です。いちご風味の板チョコは、ホワイトチョコレートに香料や着色料などカカオ以外の素材を付け加えて作られたものですが、ルビーチョコレートは着色料は一切使わず、ルビーカカオ豆(ピンク色になる物質が存在するカカオ豆)由来のフルーティな香りや酸味、ルビー色を生み出しています。コンビニで売られているいちご風味の板チョコの原料に「いちごパウダー」と書かれていれば、ルビーチョコレートとは異なりますので注意してください。

参考:FoodClip「フルーティな味わいが魅力。ルビーチョコレートの秘密

今注目!カカオ豆の個性を活かしたBean to Barの板チョコ

ビーントゥバー

最近チョコレート店やデパートの催事場などでよく耳にする「Bean to Bar」。聞いたことはあるけれど、詳しくは理解していないという人も多いのではないでしょうか。ここでは、Bean to Barの定義や注目されている理由、おすすめのBean to Barの板チョコを紹介します。

Bean to Barとは製造者がカカオ豆から板チョコまで一貫して手がける製法

カカオ豆

Bean to Barとは、カカオ豆(Bean)から板チョコ(Bar)になるまでの工程を製造者が一貫して手がける製造方法のことです。スーパーやコンビニの板チョコは、さまざまな産地から大量輸入したカカオ豆をブレンドし、その後の工程も機械で行うため、味や品質が均一にならされています。

一方でBean to Barの板チョコは、製造者がカカオ豆をこだわりを持ってセレクトし、その特長を引き立たせるために配合や工程にも工夫を凝らして作られています。カカオ豆自体の味わいをダイレクトに楽しめるのがBean to Barの醍醐味です。

Bean to Barは2010年代前半から日本でブームに

Bean to Barは2010年頃アメリカを中心にブームとなりました。当時のアメリカのチョコレートは、Hershey’sやM&Mに代表されるような「甘いお菓子」が主流だったのですが、チョコレートにカカオ豆の風味を取り戻そうという動きが生まれたのがBean to Barの発端といわれています。

日本でBean to Barが流行り出したのは2010年代前半。スマホやインターネットが急速に普及し、カカオ豆の農家との直接取引や、カカオ豆の加工に必要な機械の入手ができるようにななったことがきっかけといわれています。以来、Bean To Barはデパートの催事場や雑誌・メディアでも取り上げられるようになり、バレンタインやギフトとしてのチョコとしても選ばれるようになっています。

参考:東洋経済「チョコの新潮流「ビーントゥバー」とは何か」かもめの本棚online「業界に旋風を巻き起こす『Bean to Bar』」

Bean to Barの板チョコが今人気の理由

Bean to Barが日本に上陸してから約10年。ますます注目を浴びている理由は何なのでしょうか。ここでは、Bean to Barの板チョコが人気の理由に迫ります。

カカオ本来の風味を味わえる

カカオ豆

Bean to Barの板チョコの最大の魅力は、原材料であるカカオ豆本来の味わいを味わえることです。カカオ豆の味わいや風味は、品種や産地、収穫後や製造までの加工工程により大きく異なり、カカオ豆の個性が最大限に引き出されると、フルーツを食べた時のような酸味や華やかな花のような香りが板チョコ一つひとつにあらわれるのです。

チョコレートメーカーが理想の板チョコを作るためには、カカオ農家(生産者)との連携が重要です。それは、カカオ豆の品質低下や、収穫後の発酵や乾燥の条件の違いが完成品の板チョコの風味に大きく影響するから。カカオ豆の個性を活かす板チョコを追求するべく、自らがカカオ農家のもとへ高品質のカカオ豆を買い付けに行ったり、農家と信頼関係を築き上げ、栽培や発酵、乾燥する時の条件を細かく依頼したりする製造者も増えてきています。

参考:かもめの本棚online「唯一無二の味はこうして生まれる」

ブランドの哲学が垣間見えるパッケージや店舗デザイン

サチ・タカギの世界観

出典:サチ・タカギ公式HP 「植物でしかできない美味しさを追求する」コンセプトのチョコブランド「サチタカギ」のチョコレートには花や植物を連想させるデザインが施されている。

Bean to Barの板チョコに引き寄せられる理由のひとつに、創業者の思いに触れられることがあげられます。Bean to Bar専門店の企業理念には、「植物の力だけでチョコを作る」「地域社会を発展させる」などさまざなものがありますが、それらが板チョコやパッケージのデザイン、店舗空間にわかりやすく表現されています。単なる可愛さやセンスだけではなく、創業者の哲学やブランドへの「共感」が、Bean to Barチョコレートのファンを増やしているのです。

参考:東洋経済「チョコの新潮流「ビーントゥバー」とは何か」

「顔が見えるチョコレート」

顔が見えるチョコレート

Bean to Barのチョコレートはカカオ豆の生産地や生産者を明示しているものが多いことから、食の安心・安全が目で見て確認できます。原材料もカカオ豆と砂糖とシンプルなので、余分な香料や添加物がを摂取する心配もありません。

さらに近年日本ではSDGsの動きが強まり、食品にまつわる労働問題や賃金問題への関心も高まってきています。カカオ農家と公正な価格でカカオ豆の取引をしているBean to Barの商品を選ぶことがカカオ農家への支援につながるという認知から、Bean to Barの消費が増えているとも考えられます。

参考:かもめの本棚online「業界に旋風を巻き起こす『Bean to Bar』かもめの本棚online「世界のカカオ豆に会いたくて」

そのまま渡せる!日本全国のおすすめBean to Barの板チョコ5選

ギフトに贈れるビーントゥバーの板チョコ

Bean to Barのチョコの人気は止まることなく、近年ではバレンタインシーズンになるとデパートの催事場でBean to Barのコーナーが設けられるほど。自分で加工せず、そのまま贈るギフトとして選ぶ人が増えてきています。

ここでは、ギフトとして喜ばれるおすすめのBean to Barの板チョコを5つ紹介します。地域ならではの素材や味わいを楽しめる全国各地のものを厳選しているので、プレゼント選びに参考にしてみてください。

【東京】食べ比べで幸福度UP!「ミニマル ビーントゥバーチョコレート」

「ミニマル ビーントゥバーチョコレート」世界最高峰の品評会で6年連続・合計69賞を受賞するほどの実績を誇る、日本のBean to Barを代表するブランド。特徴はザクザクとしたカカオ豆の食感と、クリアに伝わるカカオの香りです。

食べ比べて味わう4枚セットは、定番と人気の板チョコが楽しめる商品。違いがわかりやすいので、Bean to Barの板チョコを初めて食べる人にもおすすめです。

【商品情報】

商品名 食べ比べて味わう4枚セット
フレーバー Nutty、Fruity、Savory、Arhuaco
価格 ¥5,832(税込)
※単品 ¥1,296(税込)~
通販
店舗 富ケ谷、代々木上原
詳しくはこちら

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【神奈川】自分の”好き”を見つけよう!カカオと職人の個性を楽しむ「ショコラミーツ」

ショコラミーツ

横浜市・大倉山に工房を構えるBean to Barのブランド。最大の魅力は、板チョコのパッケージの種類の多さで、同じ味の板チョコでも何人ものアーティストさんが異なる絵を描いているのだとか。

まずは見た目から、自分の「好き」を知ってもらいたい。そしてカカオ豆それぞれの個性を伝えたい。ユニークでどこか親しみやすさもある「ショコラミーツ」には、代表の熱い思いが込められています。自分へのご褒美に、バレンタインのギフトにぜひ選んでみてください。

【商品情報】

商品名 食べ比べBOX(カカオ4産地8枚入り)
フレーバー ハイチ、ベリーズ、インドネシア、タンザニア
価格 ¥2,400(税込)
※単品 ¥1,320(税込)~
通販
店舗 横浜・大倉山に工房あり。
(横浜市港北区大倉山5丁目40−3)

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【京都】グルテンフリーやオーガニックカカオにこだわる京都発のブランド「ココキョウト」

ここ京都

出典:COCO KYOTO

「カカオをきっかけにココロとカラダに栄養を」という思いのもと誕生した京都のチョコレートブランド。白砂糖や添加物を使わないチョコレート作りを徹底し、グルテンフリーやオーガニックカカオなどを探求しています。

人気の板チョコ「京味」シリーズは、国際的なコンクールで4年連続受賞するほど定評があります。産地ごとのチョコレートと、柚子やほうじ茶、きな粉などの京都の食材のマリアージュが楽しめるまさに和洋折衷な板チョコです。世界が認める日本・京都の味を味わってみては?

【商品情報】

商品名 京味タブレット (4種)
フレーバー マダガスカル62% 京都水尾柚子
ペルー50% 京都玉露焙じ茶
ガーナ60% 祇園黒七味
タンザニア70% 丹波黒豆京きな粉
価格 ¥3,120(税込)
※単品 ¥850(税込)~
通販
店舗 京都市に2店舗

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【広島】6角形の新感覚板チョコ!広島発の「ウシオチョコラトル」

「食べるチョコレートから感じるチョコレートへ」を合言葉に2014年に広島・尾道にオープンしたチョコレートブランドです。ポイントは六角形の板チョコと、板チョコ一枚一枚に描かれるイラスト。カカオ豆の産地やチョコレートができるまでのストーリーにちなんだイラストが描かれており、見る人を楽しませてくれます。

ユーモア溢れるウシオチョコラトルのメンバーも魅力のひとつ。オンラインショップでは、くすっと笑ってしまう商品紹介やメンバーオリジナルのラップなど、彼らの遊び心が垣間見れます。一度ホームページを訪れたら、ウシオチョコラトルの世界観に引き込まれること間違いなし!

【商品情報】

商品名 ウシオボックス(5種)
フレーバー おまかせ
価格 ¥4,320(税込)
※単品 ¥810(税込)~
通販
店舗 尾道のカフェを中心に全国のショップで店頭販売
※詳しくはこちら

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【沖縄】国内初・カカオを日本で栽培するブランド!シークワーサーなどの味も楽しめる「オキナワカカオ」

2016年、沖縄・国頭村に誕生したBean to Barのチョコレートブランド。やんばるの亜熱帯気候を活かし、日本で初めてカカオの栽培に取り組んでいることで話題を呼んでいます。
ギフトとしてそのまま渡せる板チョコにはシークワーサー泡盛、カラキ(沖縄シナモン)など、沖縄の地元食材が使われているのも特徴。沖縄の味を楽しんでみませんか?

【商品情報】

商品名 沖縄チョコレート4種ギフトセット
フレーバー カラキ(沖縄シナモン)、シークヮーサー、月桃、泡盛まるた
価格 ¥2,800(税込)
※単品 ¥550(税込)~
通販
店舗 沖縄編国頭郡
※詳しくはこちら

オンラインショップはこちら

コンビニで買える!板チョコのパリッと食感が楽しめるおすすめお菓子3選

コンビニやスーパーで買える、板チョコ食感を楽しめるお菓子を紹介します。手作りする手間をかけず、すぐ食べられるので、お仕事の休憩や自分へのご褒美にぴったりです。板チョコだけでは物足りない方、必見です。

【板チョコ×アイス】ベルギー産の本格チョコを楽しめる!森永製菓の「板チョコアイス」

板チョコアイス

出典:MORINAGA

【商品情報】

商品名 板チョコアイス
価格 ¥151(税込)
※コンビニ(セブンイレブン)の価格
カロリー 288kcal
内容量 70ml

板チョコのお菓子と聞くと、「板チョコアイス」を連想する人も多いのではないでしょうか。森永製菓の板チョコアイスは、板チョコのパキッと食感とバニラアイスのなめらかな口どけを楽しめる、まさに良いとこ取りのアイスクリーム。分厚くコーディングされたチョコは、ベルギー産で、なんと商品の45%を占めています。本格チョコの風味をたっぷりと味わえますよ。

2020年春からはそれまでの秋冬限定販売を中止し、通年販売をスタートさせました。以来、進撃の巨人や名探偵コナン、A.B.C-Zなど、人気のキャラクターやアイドルとコラボし、話題を呼んでいます。コンビニやスーパー、業務用スーパーなどで購入可能です。
※2022年3月現在、板チョコアイスのコラボ情報はありません。

参考:食品産業新聞「森永製菓「板チョコアイス」通年販売へ、“癒し系アイス”として女性支持で急成長」MORINAGA「板チョコアイス」

【板チョコ×ビスケット】嬉しいひとくちサイズ!ブルボンの「アルフォート」

アルフォート

出典:ブルボン

【商品情報】

商品名 アルフォート(12個)
価格 ¥106 (税込)
※コンビニ(セブンイレブン)の価格
カロリー 313kcal
内容量 59g

ブルボンのアルフォートは、小さい子供からお年寄りまで広い層に愛される「板チョコ×ビスケット」のお菓子です。特徴はザクザク食感のビスケットと、くちどけなめらかなミルクチョコレートの組み合わせ。ひとくちサイズで、持ち歩きやすいのも人気の理由です。

定番フレーバーは、プレーン、ビター、バニラホワイト、リッチミルク、ストロベリーの5種。個包装のバラエティパックや、地域限定のアルフォートも販売しているので、用途に合わせて買えるのも嬉しいですね。

参考:ブルボン「アルフォートミルクチョコレート」

【板チョコ×パン】食べ方いろいろ!ヤマザキの「ホワイトデニッシュショコラ」

ホワイトデニッシュショコラ

出典:ヤマザキ

【商品情報】

商品名 ホワイトデニッシュショコラ
価格 ¥136 (税込)
カロリー 426kcal

ヤマザキのロングセラー「ホワイトデニッシュショコラ」は、ふわふわなデニッシュ生地とパキッと食感の板チョコが同時に楽しめる菓子パンです。板チョコが端から端までしっかりサンドされているので、ひとくち目からチョコの食感と味わいを楽しめるのが嬉しいポイントです。

アレンジして食べると違う食感が楽しめるのも魅力のひとつ。トースターで焼くとパン生地がサクッとした食感になったり、冷凍すると固めの板チョコの食感を楽しめたりと、食べ方はさまざまです。

参考:ヤマザキ「ホワイトデニッシュショコラ」

まとめ

近年、さまざまな味わいや特徴の板チョコが買えるようになり、バレンタインやお祝いに贈るチョコも多様化しています。テクニックを学んで作るもよし。こだわり詰まった板チョコをそのまま渡すのもよし。ぜひ、本記事で紹介した板チョコの簡単レシピや調理時のコツ、板チョコの特徴を参考にして、相手が喜ぶチョコを贈ってみてください。

WRITER
カカオロジスト・ライター
上野彩希
Saki Ueno

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