4月と5月のシーズナルフレーバーは、みずみずしいフレッシュチーズとのマリアージュがテーマです。第一弾となる4月は、マスカルポーネを使ったイタリアのデザートの代表格「ティラミス」をイメージした「イタリアンティラミス」が登場しました。マスカルポーネの優しい甘さにほろ苦いココアとエスプレッソの芳醇な香り、カカオの個性が絶妙に交わりあう大人の贅沢デザートをお楽しみください。
偶然がもたらした?北イタリア発祥のデザート「ティラミス」
イタリアンデザートの代表格「ティラミス」。その誕生ストーリーは諸説ありますが、1960年代に北イタリアの老舗レストランで生まれたと言われています。きっかけはちょっとした偶然から。
シェフが厨房でアイスクリームを作ろうとしていた際、卵と砂糖の入ったボウルに間違えてイタリア原産のフレッシュチーズ「マスカルポーネ」を加えてしまったのだそう。マスカルポーネは牛乳から作られるクリームチーズの一種。乳脂肪分を豊富に含んだリッチな味わいと生クリームのような滑らかな舌触りが特徴です。ところが、シェフが混ぜ合わせたものを味見したところ大変おいしかったことから、試行錯誤を重ねて現在の形に至ったと言われています。
マスカルポーネをふんだんに使用したクリームと、コーヒーシロップを染み込ませたビスコッティ(イタリア生まれのフィンガービスケット)を層になるよう交互に重ね、仕上げにたっぷりのココアパウダーやチョコパウダーを振りかけて冷やし固めます。フレッシュチーズのミルキーな甘さがしっかりと感じられながら、ビターなコーヒーとココアが味の輪郭を際立たせリキュールがふんわり香る大人のデザートです。
日本では1986年に人気ファミレス店で初めて商品化され、1990年頃に雑誌やテレビで紹介されると瞬く間に一大ブームに。今ではイタリアンスイーツの定番となりました。
エスプレッソと相性のいいガーナ産カカオをチョイス
なめらかなマスカルポーネクリームとエスプレッソで作ったコーヒーシロップ、ビスキュイというティラミスの世界観をクリュで表現しました。
クリュに使用するカカオは、エスプレッソ豆と相性の良さを考えてガーナ産カカオをチョイス。定番フレーバーの「#01 カカオクリュ ロースト」にも使われているカカオで、ナッツのような香ばしさと深いコクが特徴です。
エスプレッソ豆はアラビカ種50%・ロブスタ種50%のブレンド。香り高く抽出したエスプレッソをベースにマルサラ酒とラム酒を加えたコーヒーシロップが味わいに深みをもたらします。
ティラミス生地にリキュールをほんのり効かせて大人味に
ティラミス生地にはシェフが厳選したイタリア産マスカルポーネにアングレーズ(カスタード風味のソース)を合わせ、風味づけにマルサラ酒を加えています。ふんわりとなめらかな口当たりながら口溶けはすっきり。リキュールがほんのり香る大人味です。
さらにティラミス生地の中心には、エスプレッソの風味を加えたちょっぴりビターなブリュレソースが忍ばせてあります。ティラミス生地とクリュ生地の間にはコーヒーシロップに浸したスポンジをサンド。上下の層と一緒に食べることでチーズの甘味とエスプレッソ・カカオの苦味の一体感が生まれ、食べ進めるにつれいろいろな味わいを楽しむことができます。
冷凍から半解凍の状態ではリッチなアイスクリームとして、全解凍ではとろけるような食感のスイーツとして、時間の経過とともに食感の変化も楽しめます。コーヒーやエスプレッソドリンクとのペアリングはもちろん、深みのある赤ワインとも好相性です。
「ティラミス」にはイタリア語で「ti rami suわたしを引き上げて=私を元気付けて」という意味があるように、ひと口食べると自然と笑顔になれるデザートです。心浮き立つさわやかな新緑の季節にぴったりなカカオクリュをぜひお楽しみください。