月替わりでお楽しみいただけるカカオクリュのシーズナルフレーバー。1月はベリーズ産カカオのクリュにフランス産さくらんぼの甘酸っぱい風味が広がる「フォレ・ノワール」が登場しています。
ヨーロッパの深く”黒い森”をイメージした「フォレ・ノワール」
「フォレ・ノワール(Fôret noire)」とは、フランス・アルザス地方の郷土菓子のこと。
その起源はドイツの伝統的なケーキ「シュヴァルツヴェルダー・キルシュトルテ(Schwarzwälder Kirschtorte)」、日本語で「黒い森のさくらんぼケーキ」にさかのぼります。
ドイツ南西部・バーデン=ヴュルテンベルク州に位置する森林地帯「シュバルツヴァルト(黒い森)」。南北約160kmにも広がるこの森一帯には、もみの木やトウヒなどの針葉樹が生い茂り、遠くから眺めると黒っぽく見えることからその名がついたとされています。
美しく深いこの森は、「赤ずきん」や「ヘンゼルとグレーテル」「白雪姫」などグリム童話の舞台となったともいわれています。どこか神秘的な雰囲気に吸い込まれてしまいそう。
こちらが「フォレ・ノワール」。黒い森をイメージしたココア入りのスポンジ生地と生クリーム、さくらんぼのコンポートで構成されています。「シュバルツヴァルト(黒い森)」はさくらんぼの産地としても有名な土地。さらにトッピングとして落ち葉に見立てたチョコレートコポー(削りチョコレート)をあしらい、生地に染み込ませたさくらんぼのリキュール「キルシュ」で、きりっと大人の味わいに仕上げています。
もともとはドイツ生まれのお菓子でしたが、国境を接するフランスにやがて広まり「フォレ・ノワール(黒い森)」として広く親しまれてきました。
伝統菓子から着想を得て生まれた限定カカオクリュ
1月のシーズナルフレーバー「フォレ・ノワール」は、甘酸っぱいさくらんぼとチョコレートが特徴の伝統菓子からインスピレーションを得て作られました。この特別なカカオクリュのためにカカオロジストが選んだのはベリーズ産カカオ豆。フルーティーで程よい酸味が感じられるカカオです。
ルビーのように真っ赤なさくらんぼ「グリオット」は、アメリカンチェリーをぎゅっと濃縮したような濃厚で爽やかな酸味が特徴。チョコレートと相性が良く「フォレ・ノワール」に欠かせない素材です。
シーズナルフレーバーのパッケージには「Limited」の文字が。さりげない特別感に味わう前からワクワクが高まります。
蓋を開けるとまず目に飛び込んでくるのは、たっぷりの削りチョコレート「チョコレートコポー」。森に幾重にも積み重なった落ち葉を想起させます。雪をイメージした粉糖が冬らしい印象に。
スプーンですくうと、真っ白なシャンティイソース、その下にはベリーズ産カカオを使ったチョコムースが現れます。深く積もった雪のようなシャンティイは軽やかで甘さ控えめ。ふわっと舌触りなめらかなチョコムースはすっきりとした酸味が感じられ、さくらんぼのリキュール「キルシュ」がほんのりと香ります。
さらに食べ進めていくと、中央にはごろっと大きなグリオットのコンポートが。果肉の甘酸っぱさとシャンティイソースのまろやかさ、濃厚なグリオットソースが重なり合い、味にメリハリが生まれます。鮮やかなチェリーレッドの色合いに気持ちが浮き立つよう。
サイドにちりばめられたグリオットのシロップ漬けも存在感があり、彩りのアクセントに。もちろん、クリュ、ソース、ムース、チョココポーといったカカオのデクリネゾン (déclinaison:一つの素材に複数の調理法を施して、異なる食感や味を楽しむ表現方法)も楽しめます。
一口味わうごとにさまざまな表情を魅せる「フォレ・ノワール」。カカオとグリオット、キルシュの風味が余韻と奥行きをもたらし、まるでケーキを食べているような一品です。
1月シーズナルフレーバーの「フォレ・ノワール」は定期便でのみお楽しみいただけます。ぜひ召し上がってみてください。

星久美子
Kumiko Hoshi